「ＮＰＢ　ＡＷＡＲＤＳ　２０１４」(２６日、グランドプリンスホテル新高輪)

　最高の栄誉を手にした右腕は静かに喜びをかみしめた。２年目でのＭＶＰ受賞は藤田元司氏らに続くリーグ最速タイ。「うれしい半面、プレッシャー半面。受賞した以上は来年以降、それに見合った活躍をしなければいけない」と表情を引き締めた。

　開幕投手を務めた今季、開幕６連勝をマークするなどチーム最多の１２勝を挙げた。だが後半戦は２度にわたり故障で戦線離脱するなど不満も残った。「（成績は）納得できない。たまたま選んでいただいた」と謙虚に話し「（今後は）何度も表彰されたい」と、さらなる飛躍を誓った。

　年俸でもスピード記録をつくった。この日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、４０００万アップの１億１０００万円でサイン。３年目での１億円突破は高橋由らに続くプロ野球史上最速タイとなった。「いい評価をいただいた。球団の期待を感じた」と感謝した。

　シーズン終盤に右肘を痛めたが、すでに完治。１２月には米アリゾナで自主トレを開始する。「一番大事なのはシーズンを通して戦える体をつくること」と、温暖な地で体をいじめ抜く。「来季は開幕投手をやって最低１５勝。そして日本一」。トロフィーを手にした右腕の目は、すでに来季へ向いていた。