オリまたM点灯阻止!逆転Vへ執念

 「ロッテ2-7オリックス」(21日、QVC)

 執念以外の何物でもなかった。負けられない。終盤に一気に畳みかけ、突き放した。森脇オリックスが、ソフトバンクの優勝マジック点灯を、またしても阻んだ。

 「今日はよく耐えて、よく反発した」。独特の森脇節でナインを褒めたたえた指揮官は、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。点を取っては追い付かれ、リードを奪えずに重苦しいムードが漂い始めた、2‐2の八回1死満塁。今カードは前打席まで10打席連続無安打だったヘルマンが、均衡を破った。

 四回にソロ本塁打を放ったT‐岡田が、歩かされた直後だった。目の前での敬遠策に燃えないはずがない。「そういうこともゲームの一部。ここでしっかり決めて行こうという気持ちだった」とヘルマン。集中力を研ぎ澄ませた助っ人は、涌井の直球を中前にしぶとくはじき返した。

 これで終わらない。併殺崩れの間に加点し、なお2死満塁で途中出場の伊藤が、走者一掃の適時二塁打。「(連敗した)この2日間、悔しかったので、やり返してやると思った」と、若武者の気合のダメ押し打で、価値ある星をつかんだ。

 自分たちが勝ちさえすれば、ソフトバンクはマジックをともせない。「勝っていくしかない。勝つことだけを考えていきます」と伊藤。逆転V。その可能性がある限り、ただひたすらに突き進む。

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