日本文理が劇勝!新井、逆転サヨナラ弾

 「全国高校野球・3回戦、日本文理6-5富山商」(21日、甲子園)

 日本文理(新潟)が逆転サヨナラ本塁打で富山商を6‐5で下し、準優勝した09年以来、5年ぶりの準々決勝進出を果たした。1点を追う九回、新井充内野手(3年)が2点本塁打を放ち、41年ぶりの準々決勝進出を狙った富山商に競り勝った。

 最後まであきらめない魂が、土壇場で劇的な勝利をつかんだ。1点を追う九回1死一塁。岩城の直球をはじき返した日本文理・新井の打球は、夏空に大きなアーチを描いて左翼席へ飛び込む逆転サヨナラ2ランとなった。

 「打った瞬間、入ったと思った。絶対に次につなごうと思った」と振り返る自身の今大会第2号。「みんなが『最後まであきらめるな』と言っていた」という思いを乗せた一発だった。

 大井道夫監督(72)が「七回からが勝負」と選手に言い聞かせた粘り強さが、全員の思いを強固にした。新潟大会の決勝では小太刀(こだち)の3ランで逆転サヨナラ勝ちした。

 今大会の1回戦では、2‐2で迎えた七回には星が決勝3ラン。2回戦では0‐2で迎えた六回に3点を挙げて逆転と、この夏は終盤に強さを発揮している。「逆転が多かったので、みんな『オレたちならやれる』と思っていた」と新井が言うように、追い込まれても勝利を信じていた。

 新井にとっては汚名返上の一発でもあった。七回無死一塁でベンチの「打て」のサインを無視して、スリーバント失敗。大井監督から「言うことを聞け!!お前だから打たせてるんだ!!」と叱責され、最後の打席では迷わずバットを振り抜いた。

 準優勝した09年以来の準々決勝進出。大井監督は「うれしいですね。新井はいろんな試合で大きいのを打ってたから『もしかしたら』という気持ちはあった。オレ、栃木県出身だし、ギョーザなら買ってやれる。あいつらはギョーザを食いたいんだ」と、ご褒美を約束した。

 中京大中京(愛知)に9‐10で屈したものの、9回2死走者なしから5点を返した5年前の決勝戦。テレビ観戦していた新井は「甲子園に出て、あんなカッコいい選手になりたいと思っていた」という。この日、それは実現した。

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