西嶋 涙の延長完投負け…超遅球貫いた

 「全国高校野球・2回戦、山形中央2‐0東海大四」(19日、甲子園)

 自慢の“超遅球”で日本中をうならせた東海大四(南北海道)の小さなエース・西嶋が甲子園を去る。九回まで無失点。延長十回、味方の失策が重なる不運に見舞われ、山形中央に一歩、及ばなかった。

 涙はあふれた。それでも堂々と言い切った。「使って良かったと思う」。七回2死で6番・中村へ投じた初球は、この日80球目にして会心の一球。米大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有が「一番難しい球」と持論を展開するなど、ツイッターやネットで話題の山なりの“超スローカーブ”に聖地は歓声を上げた。

 あえて投げた。四回から三者凡退を続けていたが「攻めがワンパターンになっていた。フォームも小さくなってきていたし、リセットの意味で投げた」。

 試合の流れも引き寄せたかった。2球目で遊ゴロに仕留め、続く攻撃では先頭の代打・今川が初球を左前打。本塁は踏めなかったが、あの1球はチームの“リセットボタン”にもなった。

 「ここからが勝負」と気合を入れて臨んだ延長十回、この日ここまで無失策の守備が崩れ、2失点。西嶋は「詰めが甘かった」と悔やんだが、大脇監督は「よく頑張った。ご苦労さん」と目を潤ませた。

 日本中の視線を集めながら、甲子園のマウンドから全5度描いた大きな放物線。聖地はエースを拍手で見送った。

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