仙さん 復帰戦いきなり怒ッカ~ン

 「楽天1‐8日本ハム」(25日、コボスタ)

 楽天・星野仙一監督(67)が25日、本拠地・コボスタ宮城での日本ハム戦で、5月25日以来の復帰を果たした。胸椎黄色靱帯(じんたい)骨化症などの手術を経て、2カ月ぶりの復帰初戦は大敗。試合後は「美談にはならない。それが人生」と振り返り、同時に「ぬるい野球」と怒りを爆発させた。依然として最下位。厳しい状況ではあるが、巻き返しへ向けて闘将の再挑戦が始まった。

 怒りもすごみも、衰えていなかった。大敗となった復帰初戦。星野監督は鬼の形相で「ぬるい野球やってるな。今のポジション(最下位)は当たり前。僕が最も嫌う負け方だ」と吐き捨てた。

 試合前から歓迎ムード。さっそうとホームベース付近に向かう指揮官を、拍手と歓声が包んだ。スコアボードを覆い隠すように縦20メートル、横25メートルの超巨大横断幕が掲げられる。「東北を再び熱く!」。リハビリを乗り越えた男を祝った。

 一度は決定した球宴での現場復帰を、辞退した。そこからわずか7日後。「1週間変わったら、全然状態も違うんだよ」と語る一方で「本当はあと1週間くらい休めばもっといいんだけどな」と、本音も吐露した。5月27日、チームを離れる直前、復帰のメドについて「2カ月より空けたらダメ」と言った。結果、そのリミットに間に合わせた形だ。

 6月上旬に手術を受けた。ソフトバンク・王会長ら、見舞いの連絡も入ったが、全て断った。痛々しい姿は見せられない。プライドだった。すぐにリハビリを開始。両手につえを持ち、歩いた。サポートはつけず、1人で。「誰かいると甘えてしまうから。それじゃダメなんだ」。1日でも早い復帰に燃えた。

 現場への心配事も絶えなかった。佐藤監督代行、大久保監督代行と短期間で指揮官が異動し、コーチの交代劇もあった。「ヨシは降ろされたのに、よく何も言わずにやってくれた。デーブも毎試合悩みながらやってくれた」。2人をねぎらいつつ、迷走するチームのために戻ってきた。

 残念ながら、ファンの歓迎に応える試合ができなかった。「筋書き通りにはいかないね。美談にならない。それが人生。それがゲーム」。悔しさを押し殺しながら引き揚げる。その速度は休養前よりも速い。厳しく熱い闘将が復活した。

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