プロ注目左腕の新庄・山岡は「力不足」
「選抜高校野球・2回戦、桐生第一4‐0新庄」(30日、甲子園)
延長15回引き分け再試合となった2回戦1試合が行われた。新庄はプロ注目の左腕・山岡就也投手(3年)が8回11安打4失点と打ち込まれ、桐生第一に敗れた。2試合23イニングを1人で投げ抜きながら勝利に届かなかったエースは、今夏に向けて飛躍を誓った。
憧れ続けた甲子園が終わりを告げた。山岡に悔しさがにじむ。「力不足」。勝者の校歌を聞きながら唇を強く結んだ。
「打たれて(攻守の)リズムが悪くなった。悔しいです」
初回に先制点を献上。二回以降も相手打線に捕まった。「直球が走っていなかった」。3者凡退はわずか1度。0‐1の七回には4本の集中打を浴び、3点を失った。
前日は延長15回を171球で完投した。試合後は酸素カプセルに入るなど疲労回復に努めた。「疲れはなかった」。だが8回11安打4失点(自責2)と打ち込まれた。
昨夏、瀬戸内との広島大会決勝戦で延長15回0‐0で引き分け。再試合は0‐1で敗れた。「先輩たちが負けた。勝ちたかった」。引き分け再試合の“リベンジ”に燃えていたがかなわなかった。
今夏に向け、課題は明確になった。変化球や制球が安定した一方で、直球のキレを欠いた。自己最速は144キロ。この日は138キロ止まり。初戦の東海大三戦、29日も140キロに満たなかった。持ち味は「直球」と言い切る。「球速をもっと出せるようにしたい」と力を込めた。
3試合32回を1人で投げ抜いた。球数は423球。「また戻って来られるように頑張る」。悔しさを糧に再び聖地を目指す。