“陸上の西脇工”初甲子園へあと1勝

 「高校野球兵庫大会・準決勝、西脇工10‐7育英」(27日、明石)

 膝に手を置いて、水をのどに流し込んだ。踏ん張っても力が入らない。ここまでほとんど1人で投げ抜いてきた西脇工のエース、翁田勝基投手(3年)はマウンドで何度も屈伸した。「七、八回は下半身が使えず、手投げになってしまった」。それでも力を振り絞った。駅伝の強豪、西脇工が投打の柱の活躍で、初の決勝進出を果たした。

 今大会4試合目の完投。4番としては2本の二塁打を含む5打数5安打1打点、すべての安打で生還した。しゃく熱のダイヤモンドを5周して、153球を投げ抜いた。

 ここまで翁田が3点以上取られた試合はない。しかし、この日は球速こそ141キロを計測したが10安打、7失点。味方は7番・西沢、9番・石井の3安打など15安打10得点で打ち勝った。テニスボールを使い至近距離からの速い球を打ったり、ソフトボールでインパクトをつかんだり、工夫を凝らした練習が生きた。

 野球部グラウンドは陸上部との共用。木谷忠弘監督(40)は「彼らの練習に取り組む姿勢は(野球部に)いい影響を与えている」と確信している。

 決勝の相手は、昨夏の2回戦で完封負けした東洋大姫路。2年生エースだった翁田は、3失点で完投したが涙をのんだ。「去年の延長戦のつもりでやる。ここまで来たら倒すしかない」と右腕。激戦区の伏兵は、陸上部に負けじと大舞台に乗り込むつもりだ。

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