“駅伝の西脇工”サヨナラで初4強入り

 「高校野球兵庫大会・準々決勝、西脇工3-2明石商」(25日、明石)

 兵庫大会では、西脇工が3‐2で明石商を下し、創立以来初めてのベスト4に進出した。エースの翁田(おうた)勝基投手(3年)が、一回に打球が利き手の右前腕に直撃するアクシデントを乗り越えて、9回2失点完投。同校は全国高校駅伝で最多の優勝8回をほこる陸上部で有名だが、野球部もその活躍に続いてみせる。

 聖地・甲子園が近づいた。接戦を制した西脇工が、初めてのベスト4進出だ。木谷監督は「競る展開に持ち込めば、ウチのゲームになる。選手たちが最後までよく粘ってくれた」と、満面に笑みを浮かべた。

 立ち上がりからアクシデントが襲った。一回、相手打者が放った強烈なライナーが、翁田の右前腕を直撃。それでも、10分間に及ぶ治療の後、不屈の精神でマウンドに戻った。三、四回は失点したが五回以降はゼロ封。「最初は痛くて腕が振りにくかったけど、六回以降は痛みが引いた」と力投を振り返った。

 エースの奮闘に打線も応えた。六回に同点に追いつくと、2‐2の九回、代わったばかりの相手投手を攻め立て、1死二、三塁の大チャンス。最後は女房役の7番・西沢がスリーバントスクイズを決めて、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。

 快進撃の裏には陸上部の存在がある。野球部は冬の間、練習後にトラックを借り、400メートルを25本走り込むことが日課。姉・あかりさんが陸上部OBである翁田は「底力が付いて、接戦で1点を取れたり、終盤に逆転できるようになった」と、その効果を口にした。

 患部は腫れが残るものの、幸い病院に行くほどではないという。27日の準決勝・育英戦についても「大丈夫です」と断言。夢の舞台まであと2勝。西脇工の名を野球でも全国にとどろかせる。

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