報徳・山口、父からの思い受け継いだ

 「センバツ・2回戦、常葉菊川4-3報徳学園」(27日、甲子園)

 先制適時打と犠飛の2打点。報徳学園の「恐怖の6番打者」山口大輔内野手(3年)は、31年前に甲子園で大暴れした父の血を、見事に受け継いでいた。

 父・博史さん(49)は1982年夏の甲子園を制した池田(徳島)で「恐怖の9番打者」と呼ばれた遊撃手。山口は父のプレーを収めたビデオや写真を見て育ち、幼少時からコーチ役の父と二人三脚で野球に取り組んだ。

 高校は、東京の自宅から遠く離れた報徳学園へ。「池田と同じで、専用グラウンドがなく校庭で工夫して練習する様子」(博史さん)と、父子のイメージにピッタリだったからだ。

 親元を離れた下宿先で、息子はどんなに疲れていても毎晩1時間の素振りを欠かさなかった。秋の兵庫大会は背番号「16」だったが、冬場の成長で「4」を勝ち取った。

 今月初めにバント練習で右手人さし指を骨折。出場が危ぶまれたが、博史さんに「父さんは甲子園で顔にケガをしたが、活躍できた。その血を引いているから、お前もいい結果が出るよ」と励まされた。山口は「骨折のおかげでいい具合に力が抜け、打撃の調子がよくなった」と不思議な力を感じていた。

 最終回、自らの犠飛で1点差に迫ったが、悪送球の間に本塁を狙った二塁走者がアウトになり試合終了。普段は明るい山口も、少しだけ涙した。博史さんは「あいつが負けて泣くのは初めて。それだけ思いがあるんだと感じた」と目を細めていた。

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