「巨人2-1中日」(29日、東京ド)
長いトンネルを抜けた。巨人・沢村が6回1/3を1失点の力投。血染めの105球で、5月20日以来となる5勝目をつかんだ。一度は拒んだが、球団広報に促されて足を運んだお立ち台。気持ちを聞かれ「久しぶりなんで…。よく分かりませんね」と、照れくさそうに笑った。
無心で腕を振った。「欲を出さないこと。勝ちたい勝ちたい、と思うと空回りする。勝てないことを謙虚に素直に受け止めた」。ここ5試合は力みのあまり制球を乱していたが、首位攻防の一戦で安定感を取り戻した。
指にできた血マメも、スランプ脱出の証しだった。一回に荒木をスライダー、二回にブランコをフォークで空振り三振に仕留めた。「指のかかりがいいから、血マメができる」と川口投手総合コーチ。最近はなかった変化球の切れ。面食らう相手打線をあざ笑うように、アウトを積み重ねた。
壁にぶち当たった1カ月。支えになったのは頼もしい仲間の存在だった。「内海さんや杉内さん、山口さん、勇人(坂本)が声をかけてくれた」と沢村。女房役の阿部には「今日負けたら五厘刈りにしようと思っていた」と言われたが、その“危機”も乗り越えた。
渡辺恒雄球団会長も観戦する中、首位攻防の初戦を取り、貯金は今季最多の12。原監督は「(沢村が)いいピッチングをしてくれた」と満足げ。本人は「リーグ戦に帰って来て、倍、貢献できたらと思う」と表情を引き締めた。剛腕の逆襲が始まる。
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